〜能登半島地震の援農活動募集中です〜 インスタ経由でDMください

文部科学省 2040年までに博士課程修了者「3倍」計画

  • URLをコピーしました!

ポストドクター等1万人支援計画

1996年から2000年の5年間にかけて実施された施作。
(アメリカからの年次改革要望書がきっかけとされています。)
結果、博士は取ったものの、その後の就職先が少なく、無職あるいはそれに近いポスドクが多くなりました。
この結果対して、多くの識者が「ポスドク1万計画は失敗だった」と公言しています。
参照: https://president.jp/articles/-/75705?page=3

博士課程は「足の裏についた米粒」という揶揄

昔、僕も博士課程の先を考えていたときに、言われた一言です。

「ここ日本では、博士課程は取らないと気持ち悪いけど、
取っても【食えない】」ことからです。

大学の准教授などの採用があれば別ですが、非常に狭き門であり、人脈も必要。
研究に長い時間をかけても、それに見合った収入につながらないことが
当時すでに問題として挙げられていました。

博士に進んでも比較的悠々と研究できるのはDC1という科研費をとった学生のみでした。
これが無いと経済的に厳しく、研究どころではなくなる。
ましてや将来の展望など、明るい材料は皆無なのです。

今回の「博士人材活躍プラン」概要

目標は40年までに、人口100万人あたりの博士号取得者数を20年度比で約3倍の300人超に増やし、世界トップクラスに引き上げることです。さらに、学士号取得者に対する博士号取得者の割合を8%から同3倍の24%に、博士課程学生の就職率を80%に23年比で10ポイント上げることも計画されています。

このプランでは、大学に対して教育の質の保証や国際化を要求しています。経団連の2月の調査によれば、企業は大学院に産学連携や課題解決型教育を求めており、大学のカリキュラムと産業界の期待との間には明確なズレがあることが示されています。

このようなズレを解消するため、文科省は大学に対して世界トップ水準の教育を提供する拠点の形成や海外大学との共同研究の拡大を奨励し、企業との連携強化も促しています。また、企業にも博士人材の能力や特性に焦点を当てるよう求めており、博士のキャリアパスを多様化するための指針を作成し、実践的なインターンシップの拡充にも取り組んでいます。

さらに、博士課程学生が研究に集中できる環境を整備するために、生活費の支援や授業料の減免などの支援策を拡充し、25年までに18年度比で3倍の学生に届ける予定です。

しかし、「博士離れ」の問題も深刻です。博士課程の入学者数は23年度にピーク(03年度)から2割減少し、特に修士から博士に進学する学生は4割減少しました。この離れ方の理由としては、進学すると経済的な見通しが立たないという意見や、博士取得後の就職不安が挙げられています。

さらに、日本の研究力は引用上位10%の論文数で下落し、19〜21年の平均では過去最低の13位になっています。このような状況が続けば、国際競争力の低下が懸念されます。

また、他の主要国と比較すると、日本の博士号取得者数は人口100万人あたりで見ても少なく、英国やドイツ、米国などと比べて4割程度にとどまっています。

この問題に対処するために、政策研究大学院大の隅蔵康一教授(科学技術政策)は、大学教員の意識改革や学生への経済支援拡充など、長期的な視野での対策が必要だと述べています。

今回の計画は先のポスドク1万人計画と何が違うのか

強いていうなら、経済界の要望が強く反映されている気がします。
が、ポスドク1万人計画失敗の検証はどこまでされているのか不明です。

肝心の「目的」が見当たらない(涙

意義・目的

欧米をはじめとするグローバルな社会では、博士人材の活
躍の場は研究分野に限定されません。博士人材は、特定分
野の専門性と幅広い能力を持つ者として信頼を得て、企業の
トップなど様々なフィールドでリーダーとして活躍しています。
 一方、「博士=研究者」というイメージが一般的である我
が国では、「博士号が専門分野にとどまらず複雑な課題への
解決策を提示できる者に与えられる国際的な能力証明であり、
社会の課題発見・解決に挑む際のスタートラインである」と
いうグローバルスタンダードが、社会、大学及び学生に必ずし
も十分に共有されていません。そのような中、我が国では人
口当たりの博士号取得者数が他の先進国と比較して相対的に
少なく、また、博士人材の社会の多様な場での活躍が進んで
おらず、そのことが我が国の停滞を招いているとの声もありま
す。 
 今後、社会がより高度化かつ複雑化する中、大学院教育に
おいて博士人材が必要な力を身に付けられるようにするととも
に、社会全体で学生一人一人の自由な発想と挑戦を支え、博
士の学位の価値を共有しながら、国内外の様々な場で活躍で
きる環境を構築することによって、博士人材の増加を図ること
が必要です。(文科省HPより原文そのまま抜粋 https://www.mext.go.jp/content/20240326-mxt_kiban03-000034860_2.pdf)

この文章を読んで、真の「目的」が何かお分かりでしょうか?

僕にはわかりません。

「博士修了者の数を増やすこと」や「そのための環境整備」は本来「手段」のはずです。
「増やしてどうしたいか」が「目的」であるはずですが、明文化されていません。

「手段」が「目的」になってしまっています。

「失敗の本質」(中公文庫)によると、目的が曖昧な軍事作戦は
必ず失敗する、とのことです。

「博士」は「Ph.D」

PhはPhilosophyの意味。生き方を突き詰めた「哲学」を持った人、という意味でもあります。
経団連主導の働き手育成「哲学」だけを持ったPh.Dには個人的にはあまり魅力を感じません。

僕は、
社会不適応と言われようが、オタク的な、
自分の信じた学問の道を突き進むマニアックな大人(博士)が大好きです。

実際に、アメリカの大学院にはそんな人が数多くいました。
そして彼らは死ぬほど勉強してました。

アメリカという国は好きではないけれど、
「これじゃ日本は勝てそうにないな」と思い知らされたのも事実です。

かける研究費用の圧倒的な差

科研費も桁が違いました。
僕が行ったワシントン大学の科研費は「intel」から出ていて、
0が日本よりも2つ多かったです。
日本で200万の科研費でも、アメリカだったら億超えていました。

今のままでいいから、収入が増える仕組みを作ってはどうかな😀

無理に「人数を3倍だ〜!」とするより、今の環境でも志を持って進む人もいるのだから、
本当に優秀な人にきちんと収入が入る仕組みを整えてあげてほしい。(在学中も。DC1とかDC2でなく、ね。)

「スマホの使用時間が1日1時間未満だったら、その人たちは全員博士課程無償化します!」
くらいの法律ができればオモシロイな。
(今や、東大生の多くが1日に4時間以上スマホを触っているという恐怖。
 日本の最高学府でこの状況なのです。 出典:スマホが学力を破壊する 著者 川島隆太)

そして、最低でも研究者に年収1000万くらいは国が保証してあげてほしい。

でないと、日本の優秀な人たちがどんどん外資系企業に行ってしまい、
結果的に日本が弱る。



「国家百年の計は教育にあり。」


しみじみ。

文部科学省のサイト

44の施作はどこ?今日は見つけられなかったので、引き続き探してみます☆

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

「農にイイこと、脳にイイこと」

コメント

コメントする