この絵本を書こうと思うまで
和歌山県の田舎で生まれ、育ちました。
実家にはテレビがなく、よく外で遊んでいました。
家から歩いてすぐのところにある川で、カニやザリガニをとったり、畑で虫を捕まえたりの日々でした。
ある日、毎日のように遊んでいた川が護岸工事でコンクリート化された後、
あんなにもたくさんいたサワガニが、一切捕れなくなった時のショックは、今でも覚えています。
その頃から、ぼんやりと、「環境を守ること」を仕事にしようと考えていました。
サケを通じて海を見つめる
大学時代には、「保全遺伝学」を学びました。対象種は絶滅危惧種にも指定されている「ベニザケ」でした。
サケは、川で生まれて、海を回遊し、再び産卵のために生まれた川に戻ってきます。
そのため生息域が広く、環太平洋域に様々な種が分布しています。
真冬のアラスカでは、4℃の水ら湯気が立ち昇る気温マイナス30℃の中
サケのサンプルを採取しに行ったこともあります。

真冬のアラスカでの調査の様子

またありがたいことに、ワシントン大学において研究させてもらえる機会も与えられました。
研究の成果を発表することで、国際学会で賞をいただくこともできました。
徐々に高まる海水温、という異変
サケの研究を通じて、海、山、川のつながりを体で感じていました。
加えて、海の環境に変化が起きていることに気づきました。
海水温が高くなり、徐々にサケの遡上が今まで通りではなくなっていました。
「二酸化炭素で温暖化が進む」にしても、
空気よりも比熱の大きい海水がなぜ気温に先行して水温があがるんだろうか?
と素朴な疑問を持ちました。

そんなことを考えていたら、発電所から海に放出される「温排水」の存在を知りました。
2009年の事です。
その頃から、特に原子力発電所から海に放出される温排水に関しての理解がほとんど進んでいないことに気付きました。


原子力発電所の場合、ウランをたったの「1g」を核分裂させることによって
石炭約3トン分もしくは石油約2000L 分の熱量が生まれます。
そしてそれらの熱が最終的に温排水として海に放出されている現実は、
高校の理科の教科書にすら具体的な記載はされていません。
(物理でいうところの、熱力学第2法則「エントロピー増大の法則」を振り返ることも参考になります。)
2011年 東日本大震災
2011年には、東日本大震災がありました。
原子力発電所の在り方を見つめざるを得ない、大きな大きな出来事でした。
しかしなお、発電所の基本的しくみや温排水のことを理解している方は多くありませんでした。
地球温暖化に対して、今できることとは?に対する一つの形
原子力発電は、温排水による「海水温上昇」という温暖化に直結する課題を残します。
原発に極端な賛成、反対の意思表示をする前に、原発のきちんとしたしくみを理解し、
物事を判断することが重要だと考えています。
そのきっかけになる何かを自分で発信したいと考えるようになりました。それが今回の絵本に繋がりました。
多くの人の力を借していただき、出版
本当に多くの人の力を貸していただき、出版しました。
かずちゃん、広島県の多くの方々、小川さん
ありがとうございました。

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